年間100冊読める!速読のやり方3選

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「本を速く読みたい」

読書好きなら、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか。

私も例外ではなく、未読の本が積みあがったデスクを見るたびに「速読スキルを学びたい」と考えていたものです。

てことで、効果がありそうな速読、効果がなさそうな速読を調べてみました。

一番かんたんな方法「スキミング」

一番かんたんな速読法は「知ってる箇所を読み飛ばす」スキミングと呼ばれるテクニックです。

経済学者タイラー・コーエン氏のブログで紹介され有名になったテクニックで、コーエン氏は、そのメカニズムを次のように解説しています。

  1. 特定のジャンルの本を「大量に」読む
  2. そのジャンルの「知ってる知識」が増える
  3. 「知ってる知識」「知ってる事例」を読み飛ばす

たとえば本を読んでいると「あれ?このエピソードは前に他の本で見たな」という箇所に遭遇することがあると思うのですが、そのように「既に知ってるエピソード」は熟読せずサラッと読み飛ばすわけですね。

一度読んだ本を2度目に読むときは、パラパラと読み飛ばしても内容がわかるのと同じメカニズムです。

速読できない本もある

じゃあ小説の速読ってできないんですか?

むずかしいと思います

小説のように「熟読が必要な本」はスキミングに向いていません。

「読み飛ばしたら内容が成立しない」からです。

象徴的なのは、2008年にハリー・ポッターの新作を読み終えた速読世界チャンピオンのコメント。

  • 本を読む手が止まらない一冊。
  • とても楽しかった。
  • 子供には大人気だと思う。
  • でも悲しいシーンもある。

象徴的なシーンはおろか、キャラクターの名前にすら触れられていません。

世界チャンピオンでもこの程度の感想しか述べられないのですから「小説などの読み物は速読に不向き」と考えられそうです。

速読できる本の条件

速読に向いてる本はありますか?

「一部だけ理解すればいい本」は速読向きです

速読(読み飛ばし)できる本の条件は以下2つです。

  • 断片の理解で目的を達せられる実用書
  • そのジャンルの知識に詳しく読み飛ばしていい項目が多い本

分かりやすいのは「取扱説明書」や「辞書」でしょう。

説明書や辞書は「一部だけ理解すればいい」本です。すべてのページを熟読する必要はありません。

同じように、実用書やビジネス書のように「知りたいことだけ知れればOK」な本はスキミングが可能です。

とはいえ、特定のジャンルの知識量に自信がないうちは無理してスキミングせず、熟読して知識を蓄えるほうがいいと思います。

佐藤優さんは「読書の技本」のなかでそれを以下のように表現しました。

「グルジア語がわからないのに、グルジア語で書かれた本を読んでも、指の運動にしかならない」

知識の意味を理解するにもまた知識が必要なわけですね。

効果が否定されている速読法

効果が否定されている速読法も教えてください

2016年の研究を参照しましょう

2016年、UCサンディエゴのKeith Raynerらは、速読研究をレビューした論文を発表しました。

この論文では、速読トレーニングで有名な「周辺視野を鍛えれば速読スキルが上がる」という考え方がバッサリ切り捨てられています。

カリフォルニア大学の見解は以下のとおりです。

  • 読むスピードを上げるほど理解力は下がる
  • 速読家がやってるのはほとんどただの飛ばし読み
  • 本の理解は「何度も繰り返し読むこと」で深まる
  • 初見ジャンルの本の飛ばし読みは不可能

とくに重要なのが「読むスピードを上げるほど理解力は下がる」という点かなと。

まぁ当たり前っちゃあ当たり前なんですが、じっくり理解しなきゃいけないことは、時間かけて何度も理解に努めなければならないわけですね。

4 まとめ

ざっくりまとめましょう。

  1. 効果ありそうな速読 知ってる箇所の読み飛ばすスキミング
  2. 速読できない本 小説など熟読が必要な本は速読できない
  3. 速読できる本  一部だけ理解すればいい本は速読できる
  4. 否定された速読 読むスピードが上がると理解は低下する
  5. 否定された速読 目の動かし方や周辺視野は速読に関係ない

すぐに本を読み飛ばせるような魔法は確認されておらず、タイラー・コーエン氏が言うように

「たくさん本を読んで知ってる知識を増やし、知ってる箇所を読み飛ばすしかない」

というのが現実的な速読法と言えましょう。

具体的には以下のような感じです。

  1. 特定のジャンルの本をたくさん読む
  2. 専門用語やオーソドックスな知識に強くなる
  3. 新しい本を読んだとき「知ってる記述」を読み飛ばせる

「読めば読むほどレベルアップするゲーム」と思って読書すれば、楽しめるかもしれません。最初は苦労して倒したモンスターも、レベルアップすれば楽に倒せるようになる…みたいな。

個人的には、そんな焦って大量の本を読んで結局何も頭に残らないぐらいなら、一冊の本と向き合ってじっくり深く理解したほうが良さそうだなーと思いました。

  • Cowen, T. (2006). How to read fast. Marginal Revolution.
  • Rayner, K., Schotter, E. R., Masson, M. E. J., Potter, M. C., & Treiman, R. (2016). So Much to Read, So Little Time: How Do We Read, and Can Speed Reading Help?Psychological Science in the Public Interest, 17(1), 4–34.
  • Dyson, M. C. (2004). How physical text layout affects reading from screen. Behaviour & Information Technology, 23(6), 377–393.
  • Dyson, M. C., & Haselgrove, M. (2001). The influence of reading speed and line length on the effectiveness of reading from screen. International Journal of Human-Computer Studies, 54, 585–612.