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「キャラのプロフィール表をつくればキャラに深みが出る」と言われたりします。
たとえば「HUNTER×HUNTER」の冨樫義博先生や、「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦先生は、履歴書のようなキャラクタープロフィール帳を用意していることが有名ですね。
プロフィール表から得られるメリットはこんな感じでしょうか。
- プロフィール表をつくることで作者がキャラを隅々まで理解できる
- 「このキャラならこの場面でどう行動するか」が浮かぶようになる
- 作者が意図しないアイデアが生まれ物語に深みが出る
ポイントは「自分(作者)ならどう行動するか」という主観的な視点と「あの人(キャラ)ならどう行動するか」という第三者視点を切り離せることでしょう。
てことで今回は「キャラプロフィール表に必要な項目」を考察してみます。
心理学的に創作キャラのプロフィール表をつくる方法
創作キャラクターのプロフィール表は、年齢や職業を埋めるだけの設定メモではありません。
本当に役立つプロフィール表とは、作者が「このキャラなら、この場面でどう考え、どう行動するか」を判断するための設計図です。
心理学の知見を参考にするなら、キャラづくりでは次の3つを分けて考えると整理しやすくなります。
- 基本設定:読者に最初に伝わる情報
- バックボーン:その人物が現在の姿になった理由
- 価値観:行動や選択を決める内面のルール
この記事では、創作キャラのプロフィール表に入れておきたい項目を、心理学の研究を参考にしながら整理します。
キャラプロフィール表に入れたい項目
まずは、プロフィール表に入れておきたい項目を一覧にすると以下のようになります。
1. 基本設定
- 物語上の役割
- キャラクターデザイン
- 名前
- 年齢
- 職業・立場
- ビッグファイブ性格特性
- 使用できる技・武器・能力
2. バックボーン
- その職業や立場になった理由
- その髪型にしている理由
- その体型になった理由
- その服装を選んでいる理由
- 特技を身につけた理由
- 弱点・苦手なものが生まれた理由
- 口調や話し方が形成された理由
3. 価値観
- 信じている常識や思い込み
- お金や健康への考え方
- どうしても許せないこと
- 幸せを感じること
- 改善したいと思っていること
- 夢や目標
- 趣味や興味
- 恥ずかしい経験や罪悪感のある過去
すべてを細かく決める必要はありません。脇役なら基本設定だけでも十分です。一方で、主人公・ヒロイン・ライバル・悪役のように物語を動かすキャラは、バックボーンと価値観まで決めておくと、行動に一貫性が生まれやすくなります。
基本設定のつくり方
物語上の役割
最初に決めたいのは、そのキャラクターが物語の中でどんな役割を担うのかです。
たとえば同じ「強いキャラ」でも、主人公なのか、メンターなのか、ライバルなのか、ラスボスなのかで必要な性格や行動は変わります。
- 主人公:物語を通じて変化する人物
- メンター:主人公を導く人物
- ライバル:主人公と似た目的を持つが、価値観が異なる人物
- ヒロイン・相棒:主人公の感情や選択を動かす人物
- 悪役:主人公の目的や変化を妨げる人物
役割を決めておくと、「このキャラはなぜ登場するのか」「どんな場面で活躍するのか」が明確になります。
キャラクターデザイン
キャラデザインは、性格や役割を読者に直感的に伝えるための情報です。
たとえば、太い眉や筋肉質な体型は力強さを連想させやすく、細身のシルエットや繊細な服装は知性や儚さを連想させやすいでしょう。
ただし、外見から受ける印象は文化やジャンルによって変わります。髪型や服装に関する研究はありますが、現実の人物を対象にした調査が中心であり、そのまま二次元キャラクターに当てはまるとは限りません。
そのため、髪型・服装・体型は「性格を決定する要素」ではなく、「読者が第一印象をつかむための補助情報」と考えるのが安全です。
名前
名前は、読者がキャラクターを覚えるための入口です。
心理学では、発音しやすい名前は、発音しにくい名前よりも親しみやすく感じられたり、その人物の発言が信じられやすくなったりする可能性が示されています。
ただし、これは「難しい名前は必ず嫌われる」という意味ではありません。研究で示されているのは、発音のしやすさが印象判断に影響する可能性がある、という範囲です。
創作で名前を考えるときは、以下の点を意識するとよいでしょう。
- 主要キャラは読みやすく、呼びやすい名前にする
- 世界観に合う響きを優先する
- 似た音の名前を増やしすぎない
- 長い名前には愛称を用意する
- 名前の印象とキャラの性格を一致させるか、あえてズラすかを決める
また、名前にはステレオタイプが伴うこともあります。たとえば、読者が「この名前なら優しそう」「この名前なら厳格そう」と感じることがあります。名前の印象を利用すると、キャラの第一印象を早く伝えられます。
年齢
年齢は、キャラクターの経験値・社会的立場・読者との距離感を決める要素です。
主人公はターゲット読者に近い年齢にすると感情移入されやすくなります。一方、メンターや師匠キャラは、知識や経験を説得力として見せるために年齢を高めに設定することが多いです。
年齢を決めるときは、単に数字を決めるのではなく、以下のように考えると自然です。
- その年齢で経験していそうな失敗は何か
- その年齢なら、どんな責任を背負っているか
- 読者はその年齢に何を期待するか
職業・立場
職業は、キャラクターの能力・生活習慣・人間関係をまとめて伝えられる便利な設定です。
特にゲームでは、職業がそのまま能力や役割として受け取られます。
- 戦士:前線で戦う
- 魔法使い:遠距離攻撃や補助を担当する
- 盗賊:素早さや探索に強い
- 僧侶:回復や支援を担当する
もちろん、あえて職業と能力をズラすのも創作上は有効です。ただし、読者やプレイヤーが混乱しないように、ズラした理由や面白さを作中で示す必要があります。
ビッグファイブ性格特性
キャラクターの性格を整理するなら、ビッグファイブ性格特性を使うと便利です。
ビッグファイブは、人間の性格を5つの大きな傾向で捉えるモデルです。創作では、診断のように厳密に使う必要はありませんが、「このキャラはどんな場面でどう反応しやすいか」を考える補助線になります。
| 特性 | 高い場合の傾向 | 低い場合の傾向 |
|---|---|---|
| 外向性 | 社交的、活動的、刺激を求めやすい | 落ち着いている、一人の時間を好む |
| 神経症傾向 | 不安や緊張を感じやすい | 情緒が安定しやすい |
| 開放性 | 好奇心が強い、新しい発想を好む | 慣れた方法や現実的な判断を好む |
| 誠実性 | 計画的、責任感が強い、粘り強い | 柔軟だが、衝動的になりやすい |
| 協調性 | 思いやりがある、協力的 | 競争的、批判的、自分の判断を優先しやすい |
注意したいのは、どの特性も「高いほど良い」「低いほど悪い」と決めつけないことです。
たとえば、誠実性が高いキャラは努力家に見えますが、融通が利かない人物にもなります。協調性が低いキャラは冷たい人物に見えますが、権力に流されず自分の信念を貫く人物にもできます。
大事なのは、性格特性を長所にも短所にも使うことです。
使用できる技・武器・能力
バトル漫画やゲームの場合は、使える技・武器・能力もプロフィールに入れておくと便利です。
能力設定は、性格や役割とつなげるとキャラクターらしさが強まります。
- 慎重なキャラ:防御・回復・索敵が得意
- 短気なキャラ:高火力だが隙が大きい
- 協調性が高いキャラ:仲間を強化する技を持つ
- 孤独なキャラ:単独行動に強い技を持つ
能力は単なる強さではなく、「その人物らしい問題解決の方法」として考えると、キャラクターの個性が出やすくなります。
バックボーンのつくり方
バックボーンとは、キャラクターが現在の姿になった理由です。
読者にすべて説明する必要はありませんが、作者の中で理由を決めておくと、キャラの行動に説得力が出ます。
職業に就いた理由
同じ職業でも、そこに至った理由が違えばキャラの印象は大きく変わります。
- 恩師に憧れて教師になった
- 親に言われるまま教師になった
- 安定した生活のために教師になった
- 過去の自分のような子どもを救いたくて教師になった
職業そのものよりも、「なぜその職業を選んだのか」に人間味が出ます。
髪型にしている理由
髪型も、そのキャラの価値観や生活を表現できます。
- 目立ちたくないから黒髪でまとめている
- 昔の憧れの人を真似している
- 仕事上、清潔感を優先している
- 過去を断ち切るために髪を切った
髪型は第一印象を作る要素ですが、理由まで決めるとキャラの人生が見えやすくなります。
体型になった理由
体型も、生活習慣・職業・過去の経験を表す要素です。
- 長年の鍛錬で筋肉質になった
- 研究ばかりしていて運動不足になった
- 病気を経験して体力が落ちた
- 食べることでストレスを発散してきた
体型を単なる見た目の特徴で終わらせず、生活や過去と結びつけると、キャラクターの説得力が増します。
服装を選んでいる理由
服装は、キャラクターの価値観をかなりわかりやすく表します。
- 機能性を優先している
- 他人によく見られることを重視している
- 昔もらった服を大事に着ている
- 自分を強く見せるために派手な服を選んでいる
- 所属組織のルールでその服を着ている
服装の理由を決めておくと、キャラクターの自己イメージや社会的立場が伝わりやすくなります。
特技を身につけた理由
特技は、そのキャラが過去に何へ時間を使ってきたかを示します。
- 家族を助けるために料理を覚えた
- 身を守るために格闘技を学んだ
- 孤独な時間を埋めるために楽器を練習した
- 誰かに認められたくて勉強に打ち込んだ
特技は「何ができるか」だけでなく、「なぜできるようになったか」まで考えると、物語の伏線にもなります。
弱点・苦手なものが生まれた理由
キャラクターに弱点を与えると、人間味が出ます。
ただし、「水が苦手」「人付き合いが苦手」のような属性だけでは、まだ表面的です。重要なのは、なぜその弱点が生まれたのかです。
- 過去の失敗が原因で人前に立つのが苦手になった
- 大切な人を失った経験から、他人を信用できなくなった
- 幼少期の体験から、特定の音や場所が苦手になった
- 完璧主義のせいで、失敗を極端に恐れている
弱点は、キャラクターを弱くするためだけの設定ではありません。克服・葛藤・成長を描くための種になります。
また、弱さや失敗を開示する人物は、見る側から比較的好意的に評価されることがあります。ただし、弱点の出し方によっては「ただ頼りない人物」に見えてしまうため、魅力や能力とセットで描くのが大切です。
口調や話し方が形成された理由
口調は、キャラクターの育ち・職業・人間関係を表します。
- 厳格な家庭で育ったため、丁寧な言葉を使う
- 職業柄、誰に対しても敬語が抜けない
- 相手に踏み込まれたくないため、わざと乱暴に話す
- 緊張を隠すために軽い口調で話す
- 昔憧れた人物の話し方を真似している
話し方は読者がキャラを識別する手がかりにもなるので、理由まで考えておくとブレにくくなります。
価値観のつくり方
価値観は、そのキャラクターが何を大切にし、何を嫌い、どんな判断をするかを決める内面のルールです。
キャラの行動が矛盾して見える原因の多くは、価値観が曖昧なことです。
信じている常識や思い込み
人間は誰でも、何らかの思い込みやバイアスを持っています。
キャラクターにも、その人物なりの「世界はこういうものだ」という前提を持たせると、行動に一貫性が生まれます。
- 強い者だけが生き残る
- 努力すれば必ず報われる
- 他人を信じると裏切られる
- お金があれば人は幸せになれる
- ルールを守らない人間は許されない
こうした思い込みは、キャラクターの長所にも短所にもなります。
たとえば「努力すれば必ず報われる」と信じるキャラは前向きですが、報われない人に冷たくなるかもしれません。「他人を信じると裏切られる」と信じるキャラは慎重ですが、仲間を遠ざけてしまうかもしれません。
お金や健康への考え方
お金や健康への考え方は、キャラクターの日常行動を作るうえで役立ちます。
- 節約家なのか、浪費家なのか
- 健康に気をつかうのか、無頓着なのか
- お金を自由の手段と考えるのか、権力の象徴と考えるのか
- 体を大切にするのか、目的のためなら無理をするのか
こうした価値観は、戦闘や大事件よりも日常シーンでキャラクターを立たせるのに向いています。
どうしても許せないこと
キャラクターの怒りは、その人物の価値観を強く表します。
何に怒るかを決めると、そのキャラが何を守りたいのかが見えてきます。
- 弱い者を利用することが許せない
- 約束を破ることが許せない
- 家族を馬鹿にされることが許せない
- 努力を笑われることが許せない
- 自由を奪われることが許せない
悪役をつくる場合も、「何を許せないと思っているのか」を決めると、単なる悪人ではなく、本人なりの理屈を持った人物になります。
幸せを感じること
幸せを感じる場面は、キャラクターの人間らしさを見せるのに役立ちます。
- 仲間と食事をしている時間
- 一人で静かに本を読む時間
- 誰かに必要とされた瞬間
- 勝負に勝った瞬間
- 家族の安全を確認できた瞬間
大きな夢だけでなく、小さな幸福を決めておくと、キャラクターが生活している感じが出ます。
改善したいと思っていること
キャラクターに「自分のここを変えたい」という意識があると、成長の方向性が見えます。
- すぐ怒ってしまう性格を直したい
- 人を信用できない自分を変えたい
- 弱い自分を鍛えたい
- 過去に逃げた自分を乗り越えたい
- 誰かに依存しすぎる自分を変えたい
改善したいことは、キャラクターの欠点と物語上の成長をつなぐ重要な項目です。
夢や目標
夢や目標は、キャラクターを物語の中で動かすエンジンです。
- 世界を救いたい
- 家族を守りたい
- 誰にも支配されない生活を手に入れたい
- 過去の失敗を償いたい
- 自分の才能を証明したい
大きな目標を設定する場合は、個人的な理由もセットで決めると感情移入しやすくなります。
たとえば「世界を救いたい」だけでは抽象的ですが、「妹が安心して暮らせる世界にしたい」とすれば、そのキャラの感情が見えます。
趣味や興味
趣味や興味は、キャラクターの余白をつくる項目です。
- 料理
- 釣り
- 読書
- 筋トレ
- 音楽
- 古い道具集め
- 動物の世話
趣味は、キャラ同士を仲良くさせるきっかけにも、対立させるきっかけにもなります。
また、読者とキャラクターの間に共通点があると、親近感を持たれやすくなります。物語の安全な距離感の中では、読者が自分と似た特徴を持つキャラに惹かれることもあります。
恥ずかしい経験や罪悪感のある過去
恥ずかしい経験や罪悪感のある過去は、キャラクターの弱さや後悔を表します。
- 大事な場面で逃げた
- 友人を裏切ってしまった
- 失敗を隠すために嘘をついた
- 誰かを助けられなかった
- 努力している人を馬鹿にしてしまった
こうした過去は、物語の途中で明かすとキャラクターへの理解が深まります。
ただし、重い過去を入れれば必ず深いキャラになるわけではありません。現在の行動や価値観とつながっていることが重要です。
プロフィール表テンプレート
最後に、そのまま使えるキャラクタープロフィール表をまとめます。
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 名前 | 読みやすさ、愛称、名前の由来 |
| 年齢 | 実年齢、精神年齢、読者との距離感 |
| 役割 | 主人公、相棒、ライバル、メンター、悪役など |
| 職業・立場 | 現在の職業、所属組織、社会的立場 |
| 外見 | 髪型、体型、服装、目立つ特徴 |
| ビッグファイブ | 外向性、神経症傾向、開放性、誠実性、協調性 |
| 能力・技 | 戦闘能力、特殊能力、得意分野 |
| バックボーン | 今の性格や立場になった理由 |
| 弱点 | 苦手なもの、過去の失敗、恐れているもの |
| 価値観 | 信じていること、許せないこと、幸せを感じること |
| 目標 | 短期目標、長期目標、本人が本当に望んでいること |
| 口調 | 話し方、口癖、言葉づかいの理由 |
| 趣味 | 日常で好むこと、読者と共通点になりやすいこと |
まとめ
創作キャラのプロフィール表は、項目をたくさん埋めればよいわけではありません。
大事なのは、「このキャラはなぜそう考え、なぜそう行動するのか」を作者が説明できる状態にしておくことです。
名前・外見・年齢・職業のような基本設定は、読者がキャラクターを理解する入口になります。ビッグファイブのような性格モデルは、行動の一貫性を考える補助になります。バックボーンや価値観は、キャラクターに人間らしい矛盾や深みを与えます。
心理学の研究は、創作の正解を教えてくれるものではありません。しかし、キャラクターの印象や行動を考えるヒントとして使うと、プロフィール表はかなり実用的な道具になります。
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